変体仮名地図プロジェクト

変体仮名

日本語の仮名(ひらがな、カタカナ)は、漢字を変形させることによって作り出された。
仮名が作りだされる過程では、1つの発音に対して、様々な形の複数の仮名が生み出され、使用されてきた。

1900年に、日本の政府は「1つの音に対して1つの仮名を使用する」ことを定めた。それが「ひらがな」である。
このときに、「ひらがな」として採用されなかった形の仮名は、「変体仮名」と呼ばれるようになった。教科書や出版物などでは、「ひらがな」が主流になり、「変体仮名」次第に使われなくなっていった。

しかし、商店のサイン(看板、のれん)には残り続けた。今でも、日本の伝統的な料理である「和食」を提供する店では、日本古来の和風の店構えとともに、変体仮名を使った看板・のれんを掲げていることが多い。

写真は、「そば」という和食を専門に提供している店である。

虎の門ヒルズという店舗・オフィス・ホテル・住宅などを複合した超高層ビルの近くにあって、いまだに大正時代からの店構えを維持している。

のれんに大きく書かれた3文字のうち、右の2文字が「変体仮名」である(左の1文字は漢字である)。この3文字は、1行1文字の縦書きであるので、右から左へ「so」→「ba」→「dokoro」と読んでいく。

こののれんでは筆を用いて書いた筆記体を使っている。それとともに、「so」にひらがなの「そ」ではなく変体仮名「so」を使い、「ba」にひらがなの「は」+「˝」ではなく変体仮名の「ha」+「˝」を使うことで伝統的な和の趣を醸し出している。

変体仮名を頼りに和食を楽しむ

変体仮名を使った看板・のれんを掲げている店は、日本の伝統的な和食を提供している店であることが多い。和風の店構えを見て楽しむだけでなく、ぜひ足を踏み入れて、和食を堪能していただきたい。

店内では、料理とともに提供される「はし袋」にも「変体仮名」が使われていることがある。

はし袋には、はしの古典的な言い方である「おてもと」(otemoto)と書かれている。

上から1文字目と2文字目は漢字である。1文字目は漢字の「御」(o)、2文字目は漢字の「手」(te)を筆記体で書いたものである。

3文字目と4文字目が「変体仮名」である。3文字目は変体仮名の「mo」(mo)、4文字目は変体仮名の「to」(to)である。

専修大学斎藤ゼミナール 変体仮名地図プロジェクトでは、変体仮名を楽しみながら散策できる地図「日本橋 変体仮名マップ」をグーグルマイマップによって提供している。
食事を楽しむだけでなく、店構えや、変体仮名にも注目して、和食文化にふれてみてはいかがだろうか。

PC用の画像spの画像